太ると頭の回転が鈍るのか?
以前、知り合いからこのような相談を受けたことがありました。
「自分が現在受け持っているある児童のことなのですが、小学校3年のころまでは非常に頭の回転も早く、学力もトップクラスでした。
ところが、高学年になったころから急速に太りはじめ、それと時期を同じくして成績のほうもみるみる落ちてしまいました。
太ったということと、学力とは何か関係があるのでしょうか」
この児童の肥満度は50%くらいでしたから、かなりの肥満体型であるといえます。
しかし結論をいってしまえば、
太るということと、知能の発達とは関わりはありません。
肥満児だからといって知能指数が劣るなどということはないのです。
それではなぜ、成績が落ちたのでしょう。
これは私の想像ですが、この子は勉強が手につかなくなるようななんらかのストレスを受けていたことが考えられます。
友人関係、あるいは家庭内のこと……。
それというのも、人間はある程度の軽いストレスを受け続けると、それを食べることによって解消しようとすることがあるからです。
したがって、そのストレスの原因さえ取り除いてしまえば、肥満も学力の低下も両方解決するものと思われます。
ただし、太るということは全身に脂肪がつくということです。
それは肺の横隔膜や胸の回りも例外ではありません。
このような所に脂肪がつくと、呼吸運動をする筋肉の働きが鈍くなり、酸素と二酸化炭素の入れ替えをうまくできなくなります。
酸素は脳の活動にとってなくてはならないもの。
血液中の二酸化炭素の濃度が増えれば、脳への酸素供給が低下して集中力も散漫になり、勉強をはじめてもすぐに疲れてしまう。
このような状態で学力の低下に拍車をかけていた可能性は十分にありえることなのです。
また、急激な肥満によって本人が劣等感を持ち、落ち着きがなくなり、根気強く勉強することができなくなってしまったことも考えられます。
体重が90kg近くあったある作家が、ダイエットで70kgほどに体重を落としたところ、仕事に集中できる時間が長くなり、原稿を一気に書けるようになったと語っているのを聞いたことがあります。
難しい資料なども、あまり苦にせず、読めるようになったともいっていました。
また、ダイエットに成功した人の多くが、体が軽くなっただけではなく、精神活動も活発になり、頭の回転がよくなったように感じるといった感想を述べています。
このようなことを考えあわせてみると、あまりにも肥満しているような場合には、ダイエットで体重を減らしたほうが、頭脳の活動にも有利になるということがいえるでしょう。
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